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小児のブルーライトカット眼鏡について

先日、小児のブルーライトカット眼鏡の装用について日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会の6団体から合同声明が出されました。以下、合同声明文からの抜粋です。
1.デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないと報告されています。
2.小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。なかでも十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まります。ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません。
3.最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されています。
4.体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠けます。産業衛生分野では、日中の仕事は窓ぎわの明るい環境下で行うことが奨められています。
 当院としましては、20歳未満の患者さまにはブルーライトカット眼鏡の装用は推奨していません。一方、20歳以上の成人の患者さまに関しては限定的な範囲内であればブルーライトカット眼鏡の装用を考慮してもよいと考えていますが、その装用を積極的には推奨していません。ご不明、ご不安な点がございましたら受診時にご質問ください。どうぞ宜しくお願いいたします。